思いが自分の人生をつくる

  「思いが大事だ」とよく言われますが、本当にそう思います。「思いがあって言動がある」、考えてみれば当たり前のことですが、私は20代の半ばまではこの事に気づきませんでした。

 20歳の頃、好きだった女の子にフラれ失恋を経験したことがあるのですが、それをキッカケにトボトボとうつむいた人生を歩んでいました。今となれば思い出となっていますが、当時の私には耐えがたいものでした。私自身が言うのはなんですが、当時の私はあまりにもピュア過ぎるというか、まだまだ「全力少年」だったので、初恋の好きな女の子にフラれたことが、当時の私にとって相当な破壊的ダメージでした。その女の子のことを忘れようとしても、お互い通っていた大学が近かったし、また通学もお互い同じ沿線を利用していたので、なかなか忘れられませんでした。感傷的な時間もやたらと増えていき、通学の電車の中でも悲しい音楽を聴き自己憐憫に陥っていた状態です。はっきり言って精神的自殺行為だったと思います。「あー、自分は愚かだったなあ...」と今では思います。「しまった!あんな自分をいじめている暇があれば勉強していればヨカった!」「あの時間をもっと有効活用するべきだった… オレの時間を返してくれ!」と今ではそう思いますが、今となっては後の祭りです。

 20代半ばになっても、まだその女の子のことが忘れられませんでした。そんな時ある方からこんなアドバイスを頂きました。「今のあなたの心の中では、過去と未来の綱引きが行われている。過去と未来、どちらを自分の方にたぐり寄せるかで今後のあなたの人生は変わってきますよ」とアドバイスされました。つまり、これからも過去のみじめな体験を心に抱きウジウジメソメソ生きるか、過去のことはキレイさっぱり流して明るい未来を生きるか、どちらを選ぶかということです。

 あなた自身の心の中が、どのような思いを抱いているかが大切です。若い頃の私ははっきり言ってマイナスに彩られた「思い」を抱いていました。その「思い」が、あまりにも弱々しく、未練たらしく、暗い感じで、そのマイナスの雰囲気が普段の私の言動にもそのまま表れていました。そして「類は友を呼ぶ」ではありませんが、あまり愉快でない出来事が次から次へと降りかかってきました。

 まずは自分自身の「思い」に気づくことです。そして、その「思い」がマイナスの方向へ流されないように気を付け、プラスの「思い」で占めることが大事です。現在「暗い思い」でうつむいて歩いている状態でしたら、「明るい思い」を抱いてみて下さい。本当に人生が180度変わります。「思い」には、私たちをまったくの別人へと変えてしまう力があります。

 

 参考文献

 『「原因」と「結果」の法則』 ジェームズ・アレン サンマーク出版

 『幸福への道標』 大川隆法

夢と現実

 誰もが夢を持っていると思います。このブログを読んでいる方々の読者層はわかりませんが、少なからず現在進行形の形で夢を追いかけている方たちに今回はブログをつづろうと思います。

 特に若い方は夢を描き、そしてそれに向かって目指していると思います。若い方は体力、気力などのバイタリティーも豊かなので、夢へと走らせる自分という汽車のスピードも相当なものでしょう。そして周囲から「おーっ!なんだあの列車は!すごい勢いで走りすぎていく!」という様な声が、あなたには聞こえてくるかもしれません。ルンルン気分ですよね。川を渡り、丘を越え、山を越え、順調に走ってきた汽車。しかし、その汽車が、いつからか何故だか走り具合がよくありません。「あれ?どうしたんだろう?」少し不安気なあなた。「そっか!窯の中の石炭が足りなくなってきたんだ」石炭を窯の中へ補充しましたが、やはりスタート地点あたりのような列車のスピード感が感じられません。むしろ減速してきたみたいです。「途中停車するべきか、どうするべきか。いや、大丈夫!このままゴールまで突っ走れ!」しかし、やはり汽車はみるみる減速し始めました。焦り始めたあなた。さらに石炭を追加しますが列車は減速していく一方です。ヤケッぱちになったあなた。窯を蹴り飛ばそうが何をしようがスピードは一向に回復せず、ついに汽車は旅の途中で止まってしまいました。途方に暮れるあなた。何が原因だったのでしょうか?

 たとえ話をしましたが、これはいわゆる「燃え尽き症候群」というものです。夢に向かって努力邁進していくことは素敵なことです。徐々に成功を収め続けていくにつれ、それこそ「おーっ!なんだあの列車は!」という感じになると思います。しかし、先ほどの汽車のように息切れしてくるのも事実です。その息切れを全く気にせず、さらに突っ走ったらどうなるか。何となく想像がつきますよね。

 しかし、若い方にはこれが分からないと思います。分からないというよりも知らないという方が正しいです。あなたの列車は走り始めは順調でしたが、次第に逆風が吹き始めます。仕事上でミスが出始める。受験勉強に身が入らなくなる。だんだん人間関係に疲れ関係が悪化し始める。こういう逆風が吹いてきます。あなた自身は「これではイケない!もっとガンバラねば!」と思い、さらにネジリ鉢巻をし頑張りますが、また上手くいかず、さらに息が切れ始める。完全に悪循環になってしまいます。私も若い頃このような事を知らなかったので、かなり痛い目にあいました。

 人生は戦略的に生きることが大切です。あなたが決めた目標に向かって、どう進むか。その目標に到達するまで、どれくらいの時間を割り当てることが出来るか。また、目標到達に必要な道具は何か。考えれば考えるほど、やるべき事がたくさんあります。大切なことは、あなたが決めた目標から見て逆算的に考えることです。たとえばこのブログ1つ作成することでもそうです。私の考えを皆さんに発表するには、まず私自身があるテーマについて勉強しなければいけません。つまり、そのテーマに関する書籍を精密に読み砕くのです。そして、その書籍の内容を自分のものとし、私の考えを煮詰める必要があります。最後に、出来上がった私の考えを文書として作成するのです。文章作成でも、最初から最後までいっぺんには作成していません。途中で新しいアイデアが浮かぶこともあれば、「この考えはどう表現すればよいか」などを考える必要もあります。それに、そもそも手持ちの時間が不足しているのでいっぺんには出来ないのです。なので、もしこの1つのテーマをブログに表すまでの持ち時間(期限)が半月または一か月だとしたら、どのような時間配分をしていくのかがキーポイントとなってきます。それぞれの一連作業に時間配分、力配分を考え、いかに効率良く進めていくか。この辺りは大人の方々の知恵だと思います。若い方は元気いっぱいで、その時の気分で走っていきますが、先ほどの汽車ではありませんが、どこかで必ず息切れが起きてきます。

 夢を追いかけるときは「情熱」が必要です。そして同時に自分の目標へ、どのように進むべきか冷静に考える必要もあると思います。

 

参考文献

『仕事と愛』 大川隆法

『常勝の法』 大川隆法

カムバック アゲイン

 人生何かに何度トライしてもダメになってしまうことがあります。仕事であったり、恋愛、学業、または健康面に不安を抱えている方もいると思います。「また失敗した」「なんてツイていないんだ、自分は」「もうダメかもしれない」という考えが頭の中を何度も横切ります。そして挫折が積み重なっていき、自分自身が委縮していく感じになりますよね。ギブアップ寸前の方もいるかもしれません。でもそれではいけません。また立ち上がってください。でなければ本当に終わりになってしまいます。

 私も過去に大きな挫折が3度ほどありました。二十代半ば、三十代半ば、四十代前半です。全くの世間知らずだった二十代半ばは、周囲からケチョンケチョンにやられ挫折し、自信たっぷりの三十代は道半ば天狗になってしまい鼻が折れてしまいました。四十代も三十代と同じような原因でした。四十代の頃の、挫折から復帰までの時間は早かったと思います。やはり二十代、三十代の挫折から復帰までのプロセスからの教訓が大きく活きたのでしょう。二十代、三十代はカムバック(元気を取り戻す)までに、2,3年はかかりましたが、今回は三か月ほどの短い期間で戻りました。四十代、復帰までに多少「頭がボケたかな」という印象は否めませんでしたが、順調に進みました。

 挫折してしまい、「もうダメかも」という状態になったみなさんは、その勢いのまま生活サイクルまで乱れてはいないでしょうか。私が三十代の挫折時代がやはりそうでした。まず睡眠が乱れ始め、食事が偏り、おまけに運動不足になりました。精神面と健康面が完全に乱れ、それこそ毎日頭がボーっとした状態でした。読書が趣味であり、毎朝必ず英語の勉強をしていたのですが、それを怠け始めた途端自分の頭が劣化していくのがよくわかりました。生活が乱れ、気力も萎え、やる気を完全に失ってしまいました。ここからどう巻き返すか。以前のような元気な状態をどう取り戻すか。私がまず手始めに行ったのが、「体を動かす、運動をする」ということでした。これによって気分がかなり晴れてきます。仏教用語に「色心不二」という言葉があります。「精神と肉体、心と肉体は相互関係にある」という意味です。たとえば、過度のストレスを抱え込むと体に異変が生じてきます。これはみなさんも経験があると思います。逆に怪我や事故などで肉体の方が痛むと心もブルーになってくるということです。挫折時は精神面と肉体面の両者が乱れっていると思うので、まずは肉体面から配慮していく方が賢明かと私は思います。

 もちろん精神面からケアすることも可能です。挫折時は悩みがゴチャゴチャに乱れ、感情もゴチャまみれになっていると思います。この感情を平らかにしていくことです。感情に振り回されてはいけません。そして挫折、失敗の原因を静かにゆっくりと探し出してみて下さい。「なぜ、このような失敗に至ったのか」「何が原因だったのか」などをゆっくりと頭の中でめぐらせることです。感情的に悩んではいけません。理性的に冷静に考えることです。あなたがプロ野球のキャッチャーであるならば「なぜ、あの場面で打たれたのか」「自分の配球ミスだったのか」「もし配球ミスが原因ならば、もっと良いリードが出来たのではないか。また、次回からはもっと良いリードが出来るのではないか」と静かに反省してみることです。結局は失敗に至るまでのプロセスを分析していくことが大切になってきます。そして、そのプロセスを記憶することです。記録することです。もし次回厳しい場面に遭遇した時、その記憶、記録がきっと役に立つと思います。

 

 参考文献

『無形の力』 野村克也

『希望の法』 大川隆法

『常勝思考』 大川隆法

心の法則

 「○○君」ではなく「○○ちゃん」と呼ばれていた私の少年時代は、周囲の子たちと比べると体が小さく、勉強もスポーツもカラっきしダメでした。おまけに意気地なしの泣き虫で、小学校低学年の頃、クラスメイトの女の子と口げんかをして敗けて泣いていた記憶があります。あなたは"ドラえもん"ののび太君か⁈とツッコまれても弁解の余地はどこにもありません。その反面、明るく、ヤンチャで私自身が言うのは何ですが、愛嬌がある性格でした。なので、学校の先生方や近所の方、親戚の人たちに可愛がられた記憶もあります。

 ただ、「弱気、意気地なしの自分」「なんて頭が悪いのだ!自分は!」この2つの劣等感だけは、その後の私の人生につきまっとていました。小学校時代は、どの科目のテストだったかはもう覚えていませんが、平気で”0点”を取ってきたり、中学時代の成績は1と2の”オンパレード”でした。さらに中学まで何故だか体が小さいままだったので周りからよくカラかわれ、あまり面白くない経験を、のび太君は味わっていました。 しかし、高校時代、周囲ののび太君を見る目が少し変わってきました。それは体が急に大きくなったのと、勉強が少しできるようになったからだと今では思っています。あともう1つの理由は”最近のび太が少しグレ始めた”という事も周りの人たちとの距離が出来た原因だと思います。

 ですが、「はぁ~、やっぱり自分は意気地なしだ」「この頭の悪さは病的ではないだろうか⁈」など、のび太君の悩みは大学時代まで続きました。その悩みが周囲にバレないように覆い隠していました。しかし、大学を卒業し20代半ばに精神的な限界がやってきました。というのは、自分では覆い隠していると思っている劣等感も周囲の人たちには薄々勘づかれています。それと、当時を振り返ってみると、のび太君は意外と器用に立ち振る舞うことが出来たり、「こういう問題が自分の目の前に立ちはだかった。どうすればよいか?」など、考える頭が出来始めていました。そして、周りの人たちを見る目と周りの人たちの気持ちを汲み取る力が少しづつではありましたが、芽生えていたんだと思います。徐々にではありましたが、大人へとなりつつありました。しかし、「のび太のクセに!ナマイキだぞ!!」という感情が周囲の人たちにはあり、その感情が年々増していき、のび太君は挫折しました。ただでさえ自分に自信が無かったのび太君は、周囲の批判を跳ね返すことも出来ず、”都落ち”しました。 

 歳月が流れ、のび太君の年齢も30歳前後になっていました。山伏となり、再び到来するであろう陽の目を希望に、再起をはかっていたのび太君。20代後半から読書に励み始めました。「頭が悪いという感じは何となく消えたかなぁ」と思っていたのですが、「はぁ...でもやっぱり自分は気弱だ」この忌々しい劣等感だけは残っていました。しかし、そんな時のび太君は、ある日”神様”からとても大切なプレゼントを受け取りました。『あなたとは、あなたが考えている者である』。この魔法のフレーズに触れた時、のび太君は飛び上がる感覚でした。「そうか!今まで自分は自分の事を、あーだ、こーだ、と思っていた。自分で自分を縛っていたんだ。ならば、もっと明るく積極的で力強い新しい自分の姿を思えば、今までとは違う未来が開けるのではないか⁈」

 この魔法が本物かどうか実証してみる必要がありました。”都落ち”をして気分がブルーになっていたのび太君は、昔の明るくヤンチャで陽気な自分を取り戻すことに取りかかりました。アメリカの心理学者、ウィリアム・ジェームズという方は「人の心、感情を支配するのは、感情があって行動あるのではない。行動にともなって感情があらわれる」と言っています。例えば、笑顔を作る訓練をすると本当に嬉しくなってくる。陽気に振る舞っていれば、実際気分も陽気になってくるという事です。のび太君は、努めて明るく陽気に振る舞いました。最初はギコチない感は否めませんでしたが、本当に気分が明るくなってきました。「なるほど。この魔法はスゴイ!」のび太君は驚嘆しました。「自分はバカだ」とか「弱虫だ」とか、子ども時代の影を20代までずーっと引きずって歩いていたのび太君は、この影を振り払うのは自分自身なんだと気付きました。この影を振り払うためには、のび太君自身の”思い”を常に積極的で力強いものに作り変える必要がありました。「この魔法は”思う”だけでは不十分だ。実際に行動しなければ!」この事に開眼した日以来、”ノロマ号のび太君”は”超特急NOBITA”へと大変身をし、ぶっ飛んで行きました。

 さらに歳月が流れ現在に至ります。普段ののび太君は、やはり”のび太君”です。明るく陽気に毎日を過ごしています。しかし、いざ忙しい仕事の時は、”NOBITA”へと変身をし、立ち振る舞います。”神様”から教えて頂いた”思い、心の力”を使って、仕事をします。


新装版 マーフィーの黄金律

新装版 マーフィーの黄金律

 

参考文献

『TINK  BIG!』大川隆法

『繁栄の法則』大川隆法

 

才が光放つ時

 日本の戦国時代。智略を総動員し天下に覇を目指そうとする多くの有能な武将たちの ストーリーは、今尚現代の私達に大変な魅力を与えてくれます。司馬遼太郎の『播磨灘物語』を今回は紹介したいと思います。主人公は豊臣秀吉の軍師、黒田官兵衛。以前、大河ドラマでV6の岡田准一君が演じていました。播磨(現在の兵庫県)の一介の武士・官兵衛が秀吉と出会い、その軍略や外交面でたぐいまれな才能を発揮。秀吉を天下人へ押し上げた人物です。この方ははっきし言って天才でしょう。周囲の人間から見れば偉才の持ち主です。

 

 官兵衛は播磨の一介の武士であった若かれし頃、「自分の構想で天下を動かしてみたい」と胸に秘めていました。これは昔も今も変わらない人間の感情です特に若者であれば共通の思いを抱くでしょう。「自分自身の持っている才能で何かできないか」「自分の能力で自己実現をしたい」「自分の才能を最大限に発揮したい」。

 しかし、このような才があり夢を描く人は周囲から冷たい視線を受けますし、「あいつは自惚れている」「あいつは目立ちたがり屋だ」などの陰口もたたかれることもあります。そのような中傷を受けることによって、だんだんシボンでいってしまう人が多いのではないでしょうか。

 

 何もこのような天才の場合ではなくても、学校やクラブ、職場などで、あなたが頭角を現し始めると必ず周囲からの嫉妬を受けます。悪口であったり、嫌がらせであったり、もっとひどいとあなたを罠に陥れようと工作してきます。陰で彼らは密議を開き、あなたを「どうやって撃ち落とすか」「どうやって黙らせるか」「どうすれば大人しくさせられるか」など作戦を練り上げています。「じゃあ、お前はこの手段で行け!」「俺は、この手を使うからお前らはオトリになれ!」などなど様々な手段でやってきます。本当に、これでもか、これでもかと ”ここまでやるか?!” と感心してしまう程、彼らは策を講じてきます。

 ここまでくると、プロ野球のホームランバッターと変わりません。「どうやったら打ち取れるか」「いかにバッターにミスショットをさせてアウトにするか」、彼らは本気になってあなたを打ち落としにかかってきます。しかし、その攻撃をかわし、”ここぞ” という場面でホームランを打つことが出来たならば、あなたは周囲からさらに認められ出世していくこと間違いありません

 その ”ホームラン” が出るまでのあなたはハッキリ言って孤独です。苦しいと思います。しかし、この戦いに勝たなければ前進できません。勝つためには知恵を絞らなければいけません。それこそ軍師のごとく、どう戦い、相手の攻撃をいかにかわすか、どうやって駒を進めるか、冷静になって考える必要があります。場合によっては兵をたたみ、一時退却しなければいけない時もあります。

 

 「出る杭は打たれる」という諺があります。確かに周りから抜きんでていこうとすると、その者を引きずり降ろそうと周囲の人間は躍起になります。しかし、どこまでも突き抜け、抜きんでていった者に対しては、誰も口出しが出来なくなりますし、手出しが出来なくなります。限りなく自分を信じることです。そして、知恵をふり絞り勇気をもって前進していくことです。

参考文献

『未来の法』 大川隆法

ボキャブラリーアップ

 電車の中やホームで英単語の勉強をしている学生を見ると、思わず偉いなと感じます。私が学生時代そんな立派な行為をした記憶がないので尚更です。先日書店で大学赤本を見てみました。もちろん英語です。はっきし言って難しいですよね。何が難しいか。長文で扱っているテーマです。政治、経済、文化。現在はコロナが流行っているのでコロナ社会問題を扱っている大学もありました。どうですか?英単語を学習して例えば長文問題を解くことが出来ますか?多分難しいと思います。何故だと思いますか?それは先ほども言ったように扱っているテーマが難しいからです。政治、経済を日本語で勉強しても難しいのに英語で理解するのはもっと難しい。つまり単語を知っていても長文に出題されるテーマ、政治なり経済などの周辺知識がなければいけません。でなければ、せっかく覚えた単語も焼け石に水です。

 

 このようなたとえを挙げれば幾らでも出てきます。私の手元にある洋書から見てみましょう。今回は英文、日本語訳同時に出します。次の文書を読んで何のことだかわかりますか?

 At  two  o`clock  in  the  morning  they  set  out ,  marching  silenttly  through  deserted  snowy  streets.  Of  Asano's  more  than  three  hundred  retainer's  ,  the  burden  of  revenge  fell  on  these  forty-seven.

  『午前二時に出陣した彼らは、人影がない、シンシンと降り注ぐ雪道を静かに行軍した。300人以上いた浅野家家臣のうち、吉良仇討の任は、この四十七士の肩にかかっていた』

吉良邸討ち入り寸前のあのシーンです。赤穂浪士の映画、ドラマ、劇を観たことがある方ならば、すぐに情景が思い浮かぶはずです。ですが、「そもそもアコーローシって何?」とか「キラ亭?どんなお店だろう?」とか言っている時点で試合終了です。

次行きます。

 

 Keyboad  players  usually  take  their  bearing  from  middle  C :  the  C  nearest  to  the  center  of  the  keyboard.

 『キーボードプレイヤーは指をたいてい ミドルC に配置する。つまりキーボード中央に位置するCのことである』

音楽知識がある方、それこそピアノを弾いている方であれば、すぐにピンと来ると思いますが、分からない人には分からないはずです。ちなみに「C」とは音階のことです。日本音階のドレミの「ド」のことで、「ミドルC」とはキーボード上の中央に位置する「ド」のこと。つまり、キーボードプレイヤーは演奏時、その中央の「ド」に指を配置するケースが多いという意味です。

最後です。

 

 Ben  looked  up  at  the  threatening  thunderclouds  and  handed  the  kite  to  William.  "  Run  down  the  meadow ,  son,"  he  said,  "  and  let's  get  this  contraption  into  the  air."

   "  Look! "  Ben  shouted  to  William.  "  Its's  beginning  to  work."

This  was  a  great  moment  in  the  history  of  electricity.

『ベンは今にも荒れ狂いそうな雷雲を見上げ、カイトをウィリアムに手渡した。「この草原を駆け下りていくんだウィリアム。そしてこの器具を宙に放り込め!」と息子のウィリアムに言った。

「見ろ!作動し始めたぞ!」とベンは大きな声でウィリアムに叫んだ。

これは電気学の大きな歴史的瞬間だった』

これも知らなければ何を言っているのかチンプンカンプンなはずです。「ベン」とは人名で昔のアメリカの偉人であるベンジャミンフランクリンのことです。マルチな才能で18世紀アメリカ社会に大貢献した方です。この英文は「電気と稲妻は同質のものだ」というベンジャミンフランクリンが行った実験の一部始終です。この実験のおかげで、私たちの現在の電気文明があります。ちなみに私は、この洋書を読む前まではベンジャミンフランクリンが発明家であったことを知りませんでした。私の中では、この方は詩人というか哲学者のようなイメージがあったので、あっ、そうだったんだ!と驚きました。ベンジャミンフランクリンを知っている人と知らない人とでは、読んでいる文章への理解力がまったく違ってきます。

 

 もっと身近なものでTOEICを例に出してみましょう。私は今まで正式なかたちで会社勤めの経験がないので、リーディングパートで社内メール、報告書とか公共サービス申込書、申請書なんていう類の問題を出されると正直キツいんです。それこそ英文を文法的に理解でき、ある程度単語の意味が分かったとしても、その文章自体、何を言っているのかサッパリわからない。20代後半くらいに初めてTOEICを受けたんですが、お恥ずかしい話その当時は「経理部って何をするの?」というレベルでした。申込書、申請書なども、そのようなものを扱った経験がないので、それこそチンプンカンプンになってしまう。リーディングパートでこれだけ苦戦するのですから、ヒアリングパートでこのような類の問題を出されたら完全にアウトになります。

 今このようにブログを書いていますが、私はパソコンが苦手なんです。最近少しずつ勉強していますが、まだ全体像が見えていません。なのでパソコンに関する洋書を読んでくれと頼まれても無理だと思います。なぜならばパソコンの知識がないからです。 

 

 いろいろ述べてきましたが、最終的には「知識・教養」がキーポイントになります。全く知識のないことに関する英文を読むことは出来ません。少しずつ少しずつ知識・教養の幅を広げていくことが大切です。

 

参考文献

『  JAPAN  through  writer's  eyes  』 ELIZABETH  INGRAMS

『  THE  AB  GUIDE  TO  MUSIC  THEORY  PART1  』 ERIC  TAYLOR

『  BEN  FRANKLIN  of  Old  Philadelphia  』Landmark  Books

『 外国語学習限界突破法 』 大川隆法

 

英文法を大切に

 英語講師の鳥飼玖美子さんは、「今の学生は語彙力がないので読み書きが下手なうえに、英語文法を知らない。主語や動詞がない英語を書く、現在と過去が判然しない、単数と複数の区別がつかない、いったいどうなっているのだろう、と英語教員は頭を抱えているようです」と鳥飼さんは話します。また「外資系企業に就職しても、報告書やメールなど文法をを知らなく英文が書けず、慌てて文法書を買ったという新入社員がいます」とのことです。

 英文法という言葉を聞いただけで急に顔をそむける皆さんの姿が見えます。私自身も中学、高校、大学受験と、英語はサッパリお話にならなかった。学校や塾での英語の授業の時は「時間よ、はやく過ぎ去れ!」と祈っていました。ですが今にして思うと、あー英文法は大切なんだなとシミジミ感じます。「英語を勉強しなさい」「英文法は大切だ」と何度も何度も力説していた昔の先生方の思いがようやくわかってきた今日この頃です。

 私はまだ英語教授経験がないので、あまり大きなことを言うことはできません。なので昔の私の英語マヌケ日記や大人になってからどんな感じで英語を学習していったかなどを述べてみたいと思います。

 

 「主語はどれ?」「動詞はどれ?」「目的語はどれ?」。当時、英語問題外生徒の私に塾の先生がよく浴びせてきた質問です。短くて単純な英文であれば、もちろん私でも何となくどれがどれかはわかりました。ですが、ここでの話は違います。皆さんも経験がありませんか?英文が複雑で長い文章になると頭が真っ白になってお手上げ状態になってしまう。アレのことです。当時の私もサッパリわからなかった。分からないから適当に思いついた答えを言って、それが先生の怒りを買いコテンパにいじめ抜かれたこともありました。私にもそんな苦い経験があります。

 少しテストしてみましょう。次の下線部で主語はどれですか?日本語訳は一番最後に載せます。

① Climbing  the  steps  with  Gaston  close  to  her  heels.  She  came  to  a  stop  and        turned  to  look  straight  at  him.  "  But  I'm  not  simple.  I'm  sorry,  but  I  will  never  marry  you  ,Gaston".       「BEAUTY  AND  THE  BEAST」 DISNEY  PRESS

 正解はstepsです。細かく見れば Climbing~with の分詞構文です。昔の私であれば「主語はGaston」という単純明快な回答をしていたと思います。

 

 次行きましょう。次の下線部で主語はどれですか?  

② If  you  dream  of  success  as  a  cosmopolitan,  you  mast  master   the  English  language.  Othewise  there  is  no  way  that  your dream  will   come  true.  

   The  key  to  your  activity  on  the  international  scene  depends  on  whether  you  can  master  English.          「Aiming  to  Become  a  True  Elite」 Ryuho  Okawa

 正解はkeyです。ちょっと難しくなりましたね。がんばりましょう。

 

 次です。次の下線部で目的語はどれですか?

③ Except  for  a  person  of  outstanding  talent,  everyone  will  be  faced  with  difficult  situation  soon  or  later.  What  should  we  do  at  that  time?

   The  recognization  that  we  have  reached  the  limits  of  our  skills  leads  to  the  professinal  road  many  difficulties  will  be  ahead  of  us.

                                                                       「Cultivate  The  Intangible  Power」

                        KATHUYA   NOMURA

正解は目的語はありません。なぜでしょう。ヒントは自動詞と他動詞です。

 

 ご苦労様でした。気を休めてください。どうでしたか?楽々わかりましたという方、ちょっと難しかったですという方や完全にお昼寝タイムに入ってしまった方など様々だと思います。現在お勤めの皆さん、現在学生の皆さん、ちょっと考えてみてください。中学、高校の英語の授業で複雑な英文を先生方が皆さんに説明する時、よく英文をカッコでくくったり下線を引いたりしてますね。そして先生方は「えー、これが関係代名詞目的語で、この目的語が前の名詞にかかり、つまりここからここまでが名詞節つまり主語であり、えーこの動詞は...」という感じで、英語の先生「必殺お経」が始まり、皆さんの頭は別の世界へ旅に出てしまいます。

 ですが、英文をカッコでくくったり下線を引いたりするこの作業を馬鹿にしてはいけないと思います。なぜならば、この作業を通して英文を文法的にバラバラに解体しなければ、文章を正確に読み砕くことが出来ないからです。正確に読み砕けないからアバウトな理解になってしまう。アバウトだから英文を読むことが出来ず、英文が書けず、聴き取れない。ましてや話すことも出来ないと思います。アバウトな理解の上に、先ほどの分詞構文や③の関係代名詞が英文に登場して、なおさらチンプンカンプンになってしまう。

 逆の立場で物事を考えてみてください。日本に滞在している外国の方で、日本語が何となくギコチない感じがする人と、あっこの方スゴイなと感じる人がいます。前者の方は、それこそアバウトで日本語を理解しているからです。ところが、テレビに登場する外国のコメンテーターの方などは、とても上手に話し、発音もキレイだし、それに日本のことを私達よりもよく知っています。相当勉強していると感じますよね。つまり、語学を中途半端な気持ちで勉強するのと、真剣な気持ちで勉強するのとでは雲泥の差が出てくるという事です。

 

 私が大人になってから英語を勉強しようと思い立った時、ある方に「英語はつまるところ5文型なんですよ」とアドバイスされました。書店で文法書を購入し読んでみると、あーなるほどと思いました。つまり、5つの文型が英文の型を作っているんだと30歳頃ようやく気付きました。そして、その英文の型のキーポイントになっているのが動詞なんだという事にも気付きました。それに気付いた私がまず始めた作業が

①まずその英文は第何文型か?

②その動詞は他の文型でも使われているのか?

これを辞書で徹底的に調べ上げました。詳しい辞書であれば、この動詞は第何文型で使われるのか。他の文型でも使われるのかが載っています。またその例文も載っていると思います。

 ①のその英文は第何文型かの対策として、私は5つのマーカーペンを用意しました。第1文型なら赤、第2なら青、第3なら緑、第4なら黄色、第5ならピンクといった具合です。その英文の冒頭や動詞にマーカーペンを引き、それこそ色分けして文型の違いを徹底的に理解していきました。そうすると見えてくるものがありました。言語学教授の大津由紀雄さんも話していますが、「文というのはいくつかの単語が単に左から並んで出来ているものではない。いくつかの単語は一緒になってまとまりを作っています」このことに、みなさんも気付き見えてくると思います。

 これが句や節と呼ばれるものです。そのまとまりに印をつけ整理していくのが先程の学校での作業です。「文を作っている単語がどのようにまとまりを作っているのかを、カッコでくくったりせず、どのくらい直感的にわかるようになるかが、みなさんの英語力向上のキーになります」と大津先生は話します。私は31,2歳頃から本腰を入れて英語学習に取り掛かりましたが、最初の1~2年はずっとこの作業を行っていました。マーカーペン片手に購入した文法書、辞書、英文原書とずっーとにらめっこしていました。お陰様で今は複雑な長文は怖くありません。文法は大切です。このことを肝に命じてください。

 ですが分詞構文や関係代名詞などハッキリ言って難しいです。最初は理解するのに本当に苦労すると思いますが、頑張ってみて下さい。それでもダメだったら、それこそ学校、塾、予備校の先生方に質問してみて下さい。英語が出来るクラスメイトに聞いてみて下さい。会社であれば英語が得意な上司の方や同僚、部下に聞いてみて下さい。「おー、どうしたんだ」とか「どーしたんですか!急に」とか喜んで教えてくれると思います。

(日本語訳)

①ガストンの忙しいステップが彼女に迫ってきた。彼女は立ち止まりガストンへまっすぐな視線を向けた。「私はそんな軽くはないの。悪いけどあなたとは結婚は出来ないわ、ガストン」

②国際人として成功したいなら、英語が出来なければ話になりません。みなさんが世界に通用するかしないかは、英語が出来るかできないかにかかっています。

③天才でなければ、誰でもいずれは壁にぶち当たる。その時にどうするか。自分の技術的限界を知ってから、本当のプロとしての戦いがスタートするのである。

 

 今回のブログでの参考文献です。もしよかったら参考にしてください。

『本物の英語力』 鳥飼玖美子

『英文法の疑問』 大津由紀雄

美女と野獣』 DISNEY  PRESS

『真のエリートを目指して』 大川隆法

『無形の力』 野村克也